こんにちは。初めての確定申告にビクビクしているWebライターのさとです。さて、今年もこの時期がやって参りましたね…!そうです、「確定申告」です。
事業を始めたは良いものの「まだ確定申告のこと全然知らなくてww」と言っていた私。
私も含め、すでに事業を起こしている友人も確定申告について分からないことだらけなのが実態でして、この時期から焦りが見えて勉強を始める…なんて方も多いです。
そこで今回は、以下のような疑問に答えます。
確定申告ってそもそも何?勉強したいけど、どのサイトも小難しいこと書いててわからない…
そろそろ準備を始めたいと思ってるんだけどなかなか手を出せない…
この記事では、確定申告に初めてチャレンジする人に向けて、以下について説明します。
- 確定申告の基礎知識
- 確定申告の方法と流れ
この記事では確定申告に必要な準備も網羅しているので、まずは確定申告の準備からスタートしましょう!
2019年分の確定申告の期限は、2020年3月16日(月)までです。申告の準備は計画的に!
確定申告とは?【一般的には所得税を決める手続き】
一般的に知られている「確定申告」の目的は、自分が1年間に支払うべき所得税を決めるためです。
『1年間の所得に対する税金(=所得税)を自分で計算し、指定の申告書に記載して税務署に提出する手続き』
これが、確定申告の概要です。
所得税の確定申告をすれば自動的に住民税が決まる
税務署に提出した確定申告の書類をもとに、市町村役場が住民税の計算をします。つまり、所得税の確定申告をすれば自動的に住民税が決まります。
所得税と住民税の決まり方をまとめると以下の通り。
所得税 | 住民税 | |
会社員 | 年末調整で決まる | 年末調整で決まる |
個人事業主 副業所得が20万以上 など | 自分で計算する (=確定申告) | 確定申告の結果で 自動的に決まる |
会社員時代に勝手に決まってた所得税や住民税は、
個人事業主や、副業所得が20万円以上の人は自分で計算しなければなりません。
では、副業の所得が20万円以下だと確定申告はいらないのでしょうか?それは半分本当で、半分嘘です。それについては、次の項目で紹介します。
「副業20万円以下なら確定申告いらない」は嘘です
個人事業主の所得税は自分で計算する(=確定申告)とありますが、年間所得が20万円以下の場合は、所得税の確定申告は必要ありません。
別途、住民税の確定申告をする必要があります。
ネットには「副業の収入が20万円以下なら、確定申告は必要ないよ!」というデマが飛び交っていますが、それは半分ホントで半分嘘です。
繰り返しになりますが…副業の所得(収入-経費や控除)が20万円以下なら…
- 所得税の確定申告→必要ない
- 住民税の確定申告→所得が20万円以下でも必要!!(所得税の確定申告をしない限りは、住民税の金額が決まらないから)
となります。誤解のないようにしたいところです。
所得が20万円以下で別途住民税の申告をしたい人は、各自治体にに問い合わせて「住民税の申告用紙」をもらいましょう。
収入と所得の違い【混同しないように】
収入と所得の違いは以下の通り。紛らわしい表現なので初めは勘違いしやすいですが、ここでしっかり覚えておきましょう。
収入…会社が支払った給料や、事業で得た売り上げのこと。収入金額や控除は差し引かれていない。収入から税金の計算はされない。
所得…収入金額から必要経費や控除を差し引いたもの。住民税や所得税の計算は「所得」をもとに行われる。
ポイントは「住民税や所得税の計算は、所得をもとに行われる」ことです。基礎知識として押さえておきましょう。
給与をもらっていても確定申告を行う必要がある人
では、どんな人が確定申告を行う必要があるのでしょうか?
様々なパターンがありますが、この記事を見てくれているほとんどの方は会社員だと思うので、今回は「給与所得者でも確定申告の必要がある人」に限定して紹介します。
国税庁のホームページには、以下の記載があります。
大部分の給与所得者の方は、給与の支払者が行う年末調整によって所得税額が確定し、納税も完了しますから、確定申告の必要はありません。
引用:No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人|国税庁
しかし、給与所得者であっても次のいずれかに当てはまる人は、原則として確定申告をしなければなりません。
1 給与の年間収入金額が2,000万円を超える人
2 1か所から給与の支払を受けている人で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人
3 2か所以上から給与の支払を受けている人で、主たる給与以外の給与の収入金額と給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人
「副業所得が20万円以上ある場合は、確定申告をしなけらばならない」というのは上記の(2)(3)で示されています。
確定申告をしないとどうなる?
確定申告の義務があるのにもかかわらず、期限までに確定申告をしなかった場合は、無申告加算税や延滞税などのペナルティに課される可能性があります。
また、青色申告を予定していた人は65万円の青色申告特別控除が受けられなくなるので注意が必要です。
無申告加算税が課されるとき
無申告加算税とは、確定申告書を期限内に提出できなかった時に課される罰金のようなものです。
納付すべき税額に対して以下の割合で課税されます。
- 50万円までは15%
- 50万円を超える部分は20%
例)納付すべき税額が60万円だった場合
500,000円×15%=75,000円 100,000円×20%=20,000円
75,000+20,000=95,000円
無申告加算税=95,000円 となります。
税務署への提出期限を過ぎていても、税務署の調査を受ける前に申告をした場合は、無申告加算税の割合が「納税するべき税額の5%」に軽減されます。
なので、もし確定申告に遅れても諦めてはいけません。
なるべく早く税務署に書類を提出できれば、無申告加算税が少なく済むからです。
延滞税が課されるとき
延滞税とは、納期限までに税金を納められなかった時に課される罰金のようなものです。
確定申告に深く関わりのあるものは「所得税」です。所得税の納期限は確定申告の期限と同じなので、
「確定申告の期限に遅れる=所得税が納付できない」
に直結します。
延滞税の詳しい計算方法はこちら(※国税庁のホームページに飛びます。)
確定申告をしないと「無申告加算税」と「延滞税」がダブルでかかることを覚えておきましょう。
青色申告・白色申告とは?【圧倒的に青色がおすすめ】
確定申告には、「青色申告」と「白色申告」の2つの方法があります。
皆さんがよく聞くのは青色申告の方だと思います。なぜ巷でこの言葉ばかりが見られるかというと「青色申告の方が圧倒的にお得(=税金が安くなる)から」です。
そうなると「白色申告の存在意義って何…?」「青色申告は具体的に何がお得なの?」という疑問が出ると思います。ここではそれぞれの特徴を簡単に紹介します。
以下の表は、2つの申告方法を簡単に説明したものです。
青色申告 | 白色申告 | |
節税効果 | 高い(65万円控除) | 低い(10万円控除) |
帳簿の作成 | 複雑 | 単純 |
一年で経費にできる 資産の上限金額 | 30万円まで =節税効果が高い | 10万円まで =節税効果が低い |
家族へ給料を支払った 場合の控除 | 名称:青色事業専従者給与 控除できる上限なし (支払った分だけ控除可能) =節税効果が高い | 名称:専従者給与 控除できる上限あり (配偶者は86万円、 その他の親族は50万円) =節税効果が低い |
(特にお得なものだけ紹介しました。青色申告にはこの他にもメリットがありますが、ここでは割愛します。)
青色申告は、書類を作るのが面倒な代わりに節税効果が高いです。つまり、支払う税金が安くなります。
一方、白色申告は書類を作るのが簡単ですが節税効果はさほど高くないです。つまり、支払う税金は青色申告の時より高いです。
ご覧の通り、青色申告で得られるメリットはかなり大きいので圧倒的に青色申告がおすすめです。
青色申告をするために必要な準備
確定申告の時期になってから「へぇ〜、青色申告の方がお得なんだ。じゃあそれにしよう!」と思っても受け付けてもらえません。
青色申告をするには「所得税の青色申告承認申請書」を期日までに税務署に提出しなければなりません。
【青色申告承認申請書の提出期限】
・申告しようとしている年の3月15日までに提出(※例えば、2019年度分の確定申告で青色申告にしたい場合は2019年3月15日まで)
・ただし、新規開業の場合は開業日から2ヶ月以内に提出すれば、その年度で青色申告が可能。(※例えば、2019年10月1日に新規開業した場合は、2019年12月1日までに提出すれば2019年度分の確定申告を青色申告にできる)
多くの事業主は「個人事業の開業・廃業等届出書」(通称:開業届)と同じタイミングで税務署に提出します。
手書きで書くのもいいですが、個人的には「開業freee」(無料)を使うのがおすすめです。
画面に従って操作すれば、簡単に書類のデータを作れるのでめちゃくちゃ簡単です。意外とこの作業を面倒くさがってお得な機会を逃している人がいますが、いざ初めて見たら、その簡単さに気づくと思います。
とりあえず画面に従って進めましょう。
確定申告の流れ【忙しい人はここから読んでね】
確定申告は、大まかに以下の3ステップで行われます。
- 書類の準備
- 書類の作成・提出
- 税金の納付
細かい説明はまた別の記事で紹介しますが、なんとなく「こんな流れか〜」程度に思っていただければOKです。
書類の準備
まず、確定申告に必要な書類を準備します。
必要書類① 本人確認書類
確定申告する人が、申告者本人であることを証明する書類が必要です。
- マイナンバーカード
- マイナンバー通知カード+運転免許証・保険証・パスポートなど
必要書類② 印鑑
シャチハタ印は使用できません。口座振替にて所得税を納める場合は、金融機関に登録した銀行印が必要です。
必要書類③口座番号がわかるもの
口座振替にて所得税を納める場合は、通帳などの口座番号がわかるものが必要です。
必要書類④申告書関係
1年間の収入や所得金額・最終的な税額をまとめた書類です。
申告書および申告書に関わる書類を提出するには、2通りの方法があります。
- 紙の申告書に記録して、税務署に提出(直接or郵送)
- 「e-Tax」を用いて電子申告をする(紙の申告書はいらない)
確定申告に関わる書類は、以下のとおりです。
- 確定申告書AまたはB(個人事業主はB)
- (白色申告の場合)収支内訳書
- (青色申告の場合)青色申告決算書
確定申告書などをプリンター等で印刷したい場合は、こちらからファイルをダウンロードできます。e-Taxで電子申告をする場合は印刷の必要はありません。
必要書類⑤所得を証明できるもの
申告書に記載する所得金額を証明できる書類が必要です。
- 給与所得など→源泉徴収票の原本・支払調書の原本
- 事業所得・不動産所得→青色申告の場合、青色申告決算書or白色申告の場合、収支内訳書
- 雑所得など→雑所得の詳しい内容を証明できるもの
必要書類⑥控除を証明できるもの
控除を受けることができれば、課税所得を低くして税金を安くする効果があります。例えば、以下に該当する人は控除を受けられます。(ほんの一例です)
- 住宅ローンを支払っている人
- 医療費が年間10万円を超えた人 …などなど
この控除を受けるためには支払いをした証明が必要です。住宅ローンであれば、金融機関が発行する住宅ローンの残高明細が必要ですし、医療費であれば、医療費の明細書が必要です。
書類の作成・提出
実際に作成する主な書類は、以下の通りです。
- 確定申告書AまたはB(個人事業主はB)
- (白色申告の場合)収支内訳書
- (青色申告の場合)青色申告決算書
これらの書類に「経費はいくらか、収入はいくらか」という感じで金額を記載します。
- 全部手作業で計算や集計して書く
- 会計ソフトで計算や集計をして、表示された金額を手書き
- クラウドサービスを使用して、確定申告書のデータを作る(すべてWebで完結)
申告書関係の書類は、様々な方法で作れますが全部手作業だと手間も時間もかかります。おすすめはクラウド会計サービス「freee」を使って、申告書を作る方法。
freeeのアカウントを、クレジットカードや銀行口座の情報と紐付けておけば、
- いつ何にお金を使ったか
- それはどんな区分の支払いか(例:通信費?医療費?地代家賃?)
- いつ収入が入ったか
などの情報を、半自動で分けてくれます。簿記の専門知識が無くても青色申告が簡単にできます。
税金の納付
確定申告は、書類を提出して、はい終了!ではありません。
算出された所得税や、復興特別所得税を期日(3月15日(令和2年は3月16日))までに納付しなければなりません。口座振替はもちろん、クレジットカードでの納付にも対応しています。
- e-Taxの操作で口座振替
- インターネットバンキング
- クレジットカード
- コンビニ等に納付書を持参
- 口座振替
- 金融機関や税務署の窓口で納付
これで、確定申告の大まかな流れは以上です。
確定申告について…こんな時はどうする?
確定申告に対する、よくある疑問をまとめました。
会社に副業がバレないために、副業分だけ確定申告をしたい。
「会社に副業がバレたくない!」と思ってGoogle検索すると、「副業がバレたくないなら確定申告をしよう!」と言う文言がよく目につきます。そこで生まれるのが以下の疑問です。
会社に副業がバレたくないです。バレないための方法として確定申告が関係しているのは分かったんですが…具体的にどうすれば副業バレを防げるのでしょうか?
確かに、副業が会社にバレないようにするには「確定申告」が有効です。しかし、いくつかの注意点があります。
- 上司や同僚に副業を悟られるようなことをしない・言わない
- 確定申告書Bに記載する、住民税の納付方法を「自分で納付」にする
- 書類提出した後hあ、念のため市役所の税務担当に「副業分の住民税は自分で納付することになってますよね…??」と確認する
- バレにくい副業をする(コンビニバイトなど、人目につくものはNG)
上記の注意点を守りつつ申告すると、会社バレの可能性がグッと低くなりますよ!詳しくはこちらの記事で書いてあるので参考までにどうぞ。申告書類の書き方なども、画像を交えて丁寧に解説してます。
私も最初は「確定申告ってなによ…とりあえず今は考えないようにしよ。」とスルーしていましたが、いよいよそうは行かなくなってきました。笑
会社バレしないためにも入念に学んでおきましょう。
確定申告の期限に遅れてしまった
うわー!!!確定申告の期限に遅れてしまった…これってペナルティ
とかあるの?まさか捕まったりしないよね…?」
これは、「確定申告をしないとどうなる?」の項目でも説明しましたが、確定申告の期限に遅れるとペナルティ(罰金のようなもの)が課されます。基本的には以下の2つ。
- 無申告加算税
- 延滞税
ただ、期限に遅れたからといって捕まるわけではありません。
延滞期間が長ければ長いほど罰金の金額が大きくなるので、気づいた時点で早めに申告しましょう。
確定申告は、計画的に進めよう!【進めながら勉強するのがGOOD】
確定申告と聞いただけで面倒くさい・難しいイメージを持ってしまいがちですが、初めて見たら意外と初心者でもできたりしてしまいます。
昔は手作業の部分が多かったですが、今では「freee」などのクラウド会計サービスが普及しているので、未経験でも意外とすんなり確定申告できた!という人も多くいます。
確定申告は、1年間の所得に対しての税金(=所得税)を決めるための作業です。確定申告は以下の流れで行います。
- 書類の準備
- 書類の作成・提出
- 税金の納付
確定申告の期限である3月15日(令和2年は3月16日)付近になると、税務署はどこも人でごった返します。ですが、早めに準備を進めて電子申告で完結できてしまえば、人混みにさらされることもなく確定申告を終えられます。
詳しい税務相談は、税務署や税理士事務所に聞きましょう。とりあえずWeb上で解決したいなら「税理士ドットコム」で現役の税理士にメールで聞くのもおすすめ。
繰り返しになりますが、2019年分の確定申告の期限は、2020年3月16日(月)までです。申告の準備は計画的に進めましょう!
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