カメラ女子のmakikoです。
私は海外が大好きで大学時代では英語学科に所属し、いつか英語環境で生活することを夢見ていました。そして新卒で就職した会社はごく一般的な日本の旅行会社でした。
希望していた業界で、男女の差なく女性でも仕事を任せてもらえたので、楽しんで仕事をしていたし不満もありませんでした。
ただいつか海外出張で海外へ行ける日々が来ることや、外国人の同僚と対等にやり取りする日常を思い浮かべながら、年に1~2度は趣味で海外旅行へ行き平日は週に2回英会話スクールに通っていました。
入社して約3年経ったころ運も重なり、念願叶って転職した会社は中東系の外資系企業です。
担当していた業務はやりがいもあり毎日大変だったけれど責任を負うことに喜びも感じていました。しかし私は、またそこからアメリカの企業に転職することになるのです。
その後も外資系企業へ転職を繰り返したのですが、今回はこの中東企業からアメリカ企業に転職した際に得た経験を、体験談として紹介します。
外資系企業への転職活動を考えているあなたの参考になれば幸いです。
大変だったけど仕事はやりがいのあった中東系の会社
新卒で旅行会社に就職し約3年間働いた後、転職した会社は中東のとある国に本社のある外資系メーカーです。
中東系外資系企業の環境
日本オフィスの従業員数は120名くらいでそれほど大きくはない会社でしたが、オフィスのスタッフの内2割ぐらいが外国人でした。
全体会議やPC環境は英語、時差の関係で午後にオフィスにかかってくる電話はほぼ海外から、というまさに望んでいた環境でした。
私が配属された部署は管理部といういわゆる総務部に当たる部署で、海外出張が多いエンジニアたち向けに海外出張の手配を行うトラベルコーディネーターという職種でした(現在はこの職種名での募集はありません)。
トラベルコーディネーターという職種の仕事内容
トラベルコーディネーターという職種のポジションは一般的な会社にはそれほど多くはありません。
そしてその会社には、海外出張が通常で週に2~3本、短ければ1週間から長い場合は1ヶ月以上滞在することはよくあるという環境だったことから、各オフィスにそれぞれトラベルコーディネーターが配置されていました。
海外出張は出発の1週間前に決まれば早い方で、数日前に出張が決まるということも日常茶飯事でした。
それなのに予算はシビアで(そして低予算)本社からの承認がおりないと手配したチケットの発券ができないという常に慌ただしい日常でした。
会社自体は裕福な中東系で、現金を多く蓄えている会社でもあり給料も悪くはありませんでしたが・・・。この都度承認を取るための本社とのコミュニケーションが毎日大量にありました。
また、外国人スタッフはわがままでリクエストも多く旅行会社で勤めていた時よりも仕事内容は思った以上に大きなプレッシャーがありました。
それでも面接の段階で状況を聞いていたので、実際の業務を開始した時もそれほど大きなギャップは感じませんでした。
私自身は、前職で旅行会社に勤めていたこともあり、旅行会社や航空会社のルールに精通していて知識は豊富にありました。
そして海外旅行の手配や予約・発券を担当していたことから、前職でやっていたことをそのまま活かせる内容の業務というイメージを持って入社しました。その判断は正しかったです。
ただ、後で聞いた話ですが、あまりにも数が多い緊急の出張の手配数と旅行会社のルールとの板挟みで前任者が仕事についていけず、新たにこのポジションの募集をした経緯があるということでした。
良くも悪くも自分自身の裁量で仕事をいくらでも進めていけるので、自由に仕事をしたい人には(私自身にとっても)最適な環境でした。
中東系外資系企業の特徴
望んでいた英語環境とはいえ中東系の会社なので母国語は英語ではありません。
母国語が英語でない会社の場合は正しい英語を話さないといけないというプレッシャーがありません。
もちろん正しい英語を話せるにこしたことはないのですが、躊躇せずに思いきりトライしやすいという利点があります。
- 母国語が英語ではないので自信がなくても思いっきりトライできる
- 英語ができなかった状態から会議で発言できるレベルになったスタッフが大勢いる
- 社内で英語学習を福利厚生で行うシステムがある
その後、複数の外資系企業で働いた経験を持ったからこそ分かったことですが、本社がどの国にあるかで環境は異なります。
配属される業種・役割で多少の違いはあるけれども、結果をきちんと出せば多少の自由もある(フレックスタイムなど)ことが外資系企業の特徴の1つだといえます。
私自身は担当業務はやりがいがあったし、多少の不満はあっても同僚にも恵まれていたので他の外資系企業への転職は考えていませんでした。
外資系企業にはよくある担当業務や部門の消滅
しかし、その日は入社してから約4年後に突然やってきました。
外資系企業ではよくあると聞いてはいたのですが、実際に自分がその立場になるとは思っていませんでした。
それは会社の業績不振による担当業務&部署の消滅です。
状況は世界各地に点在する全オフィス共通で、私の担当業務だったトラベルコーディネーターを含めた業務の縮小だけでなく、その部門が丸ごと消滅するという部署もありました。
日本企業なら担当する仕事がなくなっても他部署へ異動ということになると思います。
しかし外資系企業の場合は、部署ごと無くなるのは会社の規模に関わらずよくあることで、他部門への異動ということはあまりありません。
そもそもほとんどの外資系企業ではその業務のスペシャリストが必要ということで雇われているので、その職種がなくなった場合は会社にいる必要はないということになります。厳しく感じるかもしれませんがこれが一般的です。
私が勤めていた会社では各オフィスの約15%の人員が退職するということになりました。当時の同僚に聞いた話では、その1年後にもマーケティング部門やエンジニアなどさらに10%の人員削減が行われたそうです。
2年にわたる削減で当時同時期に入社した10名弱の同僚は(男女比7:3位)、全員が会社を去ったことになりました。
最初は心の整理がつかなかったものの、その後働いた外資系企業でも同じようなことがあるのを目にしたり聞いたりしたり、企業自体が日本から撤退したことを経験した友人もいたので(そして動じてない)わりとよくあることなんだと理解しました。
アメリカからの帰国子女でもある友人(男性)の中にはキャリアアップ&給与アップのために敢えて同じ業種の外資系企業で転職を繰り返している人もいます。
複数の外資系企業で働いてきた今なら私もそれが理解できますが、その時は心の整理がつかずしばらくの間は転職を考えられませんでした。
新たな業種でキャリアを積んだ上でアメリカの会社へ転職
結論からいうとその後時間はかかりましたが新たな業種でキャリアを積んだ上で、アメリカの企業に正社員として転職することに成功しました。
私が正社員で転職先を決めるためにやってきたことは3つです。
- 新たな業種で経験を積む(派遣社員)
- 人材紹介会社に登録して転職活動開始
- アメリカの会社に正社員で転職
新たな業種に挑戦した理由
新たな業種でキャリアを積むことを選んだことには理由があります。
- トラベルコーディネーターという職種で外資系企業への転職は難しい(そういうポジション自体がない/あったとしても少ない)
- 未経験分野で外資系企業で正社員を目指すのは難しい
私の場合は旅行会社に再就職するという方法もありましたが、一度外資系企業で働いた経験を持つと日本の企業で働く気は起きませんでした。
そこでもともと興味があったことでもあり、前職のトラベルコーディネーターの仕事の一環としてやっていた社内サイト構築&デザインの仕事の経験をもっと積んでいきたいと思い、その道でキャリアを積むことに決めました。
外資系企業の雰囲気が合っていたので、外資系企業に絞りデザインやWEB管理が未経験でも雇ってくれる派遣の仕事を探しました。
新たな業種で経験を積むためにやったこと
- 人材派遣会社に登録
- 外資系企業のWEB関連の仕事を集中して探す
独学でHTMLやCSSを勉強してある程度サイト構築ができるという点を考慮してくれて、運良く北欧系の外資系企業の広報部のWEB部門のアシスタントで派遣社員として雇ってもらえることになりました。
それまでデザインの知識や技術はありませんでしたが、そこで約3年間WEBに関わる業務全般と広報部に関わるデザイン業務(WEBデザイン/グラフィックデザイン)の技術と知識・経験を積み上げていくことができました。
広報部に所属していた経験は大きく、SEOに強い訴求力の強いデザイン力や考え方を身につけることができたこともその後の経験に大きく役に立つことになりました。
<さらに身につけた能力>
- 広報部に所属し会社全体の動きを知ることができた
- 訴求力の強いデザイン力を身につけた
- サイト管理能力(本社との均衡対応含む)
経験を積んだ上で行動したこと
約3年間経験を積んだところで転職活動を始めました。
- 人材紹介会社複数に登録(主に外資系の紹介会社)
- 募集案件を積極的に探して自らコンタクトを取る
外資系企業に転職したい場合は外資系の人材紹介会社に登録することが近道です。担当者は外国人が多く、直接コンタクトをとる時点で最低限必要な英語力はクリアしていることになります。
応募方法はサイトから完結するようになっているところが多いですが、私は気になる案件があれば応募すると同時に直接担当者に電話して確認していました。
紹介してもらった企業の中から書類審査にパスして一次面接、二次面接(英語)と進み、アメリカに本社のある翻訳会社に転職が決まりました。
アメリカの会社はプレッシャーが強い、厳しい重圧の結果
転職したアメリカの会社は翻訳系会社でのディレクターのポジションでした。
上司がアメリカ人で週に1度は上司とのスカイプミーティング、社内環境はほぼ英語でクライアントも外資系企業が多いので本社を交えてのミーティングが多く会議の90%が英語会議、海外出張もあるような環境でした。
思えば大学を卒業した頃に目標にしていた環境。最初の頃はやる気に満ちあふれ任せられる仕事にやりがいを持って前向きに取り組んでいました。
実は苦労してやっとたどり着いた正社員のポジションでお給料もそれまで働いてきたどの会社よりも好待遇でしたが、結論から言うと1年経たないうちに退職しました。
仕事の量とやりがい、重圧とのバランス
私が担当することになったディレクションという業務は、アウトソースで発注しているDTPのディレクションが主ですが取り扱う業務量が幅広く業界ならではの緊急性も高いため、自身でも直接DTPを行うことが多い業務でした。
- アウトソースのディレクション
- 自分でも実際にDTP(デザイン)業務を行う
- 動画制作と修正(ディレクション含む)
- アメリカ本社とのミーティング(週に数回)
- レポート(毎週)
問題が発生した時には早朝や遅い時間にスカイプミーティングが行われるのですが、新しいプロジェクトでは問題が発生することが日常茶飯事の業界なので私が入社した時点でミーティングもしょっちゅう行われていました。
平たくいうとこれまで働いてきた外資系企業とはスピード感が大きく異なりました。
- 現在進行形で進んでいるプロジェクトの数が多い
- 緊急性の高いプロジェクトが多い
- 新しいことを学ぶ時間が足りないが学ぶ必要性がある案件が多い
- 早朝から深夜までミーティングが多い
それに加えて私自身の英語力が足りないという事実がありました。
これまで働いてきた外資系企業では、英語が母国語ではなかったことから、英語会議でもそれほど苦労することはありませんでした。
アメリカの会社は当たり前ですが母国語が英語なので容赦ないです。
相当頑張って帰国子女と同じくらいの英語力を身につけるか、相当な強い心臓がない限りネイティブには叶いません。
ネイティブの外国人、もしくはネイティブレベルの英語力を持つ日本人の中で、周囲に遅れをとらず論理的に主張していくことは、私にとっては容易なことではありませんでした。
自分なりにベストは尽くしましたが、業務量も多くたまる一方で精神的に追い詰められる形となり最終的には退職することを決意しました。
しかし後で聞いた話ですが、私が担当していた業務全てを1人でできる人材がその後見つからず、後任は3人の人を雇う形になったと聞きました。
主張するにもアメリカ人の中では足りない英語力だったので致し方なかったですが、業務量が多いこととその理由をハッキリと説明できればなんとかなったかもしれません。
まとめ
私の経験は転職して成功か失敗かと問われたら失敗かもしれません。
それでも人生という大きなスパンで見たら、私自身にとっては自分に合うかどうかを見極める材料となり、健康なうちに決断できたことは良き判断で失敗ではないと思っています。
外資系企業を選ぶときは応募する職種にもよりますが、母国語が英語かそうでないかという点でも環境が大きく変わるので一つの目安にするといいです。
私にとってはこんな環境もあるんだと、自分の人生で何が大切かということを考える機会にもなり、またその後の働き方を選び進むきっかけになったので後悔はありません。
この経験が少しでも転職を考えているあなたの参考の一つになれば嬉しいです。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
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makiko
1980年代生まれのフリーランスフォトグラファー。
海外旅行が大好き。
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